KUMA号、救助される!

とうとう、天候が回復しシネスを去る日がきました。。
シネスを昼の3時に出発し、またセント・ビンセント岬を回って翌朝ポルティマオンに戻る予定。
途中4時間ほど風が強くなるとの予報ですが、概ね楽な航海を予想しておりました。

いざ出航してみると、風はないけれど波が横から来る為、船が結構揺れるからか、5日間安穏な港生活に慣れて軟弱化したのか、私は酔ってしまいました。
なんだか調子が悪くて、これから明日まで船に揺られているのかと思うと気が重い。
今夜の見張りもあるので、昼はパパに任せて、少し船室で休ませてもらうことに。

2時間ほど横になったのだけれど、なんとなく寝付かれず。
目を閉じて身体を休めた程度なので、思ったほど体力を回復することができませんでした。
夕食の仕度もあるしそうそう寝てもいられない時間なので、起きてコックピットに戻ろうと部屋を出ると・・・。
「!!!・・・水が出てるっ(焦)」
サロンの床が浸水です。
去年浸水させた原因箇所はもう直したから、今年は浸水に悩まされることはなかったはずなのに。
パパを呼ぶと走ってきました。
床を水が這うということは、船底いっぱいに水があふれているということなのです。
KUMA号のバックの喫水線を覗いてみるとなんだか上がっているような・・・
し、し、沈んでる?

パパが水をなめてみました。
海水です。
去年の貯水槽からの水の時とは焦り方も違います。
原因追求の前にまず水を排出しなければっ。
カディスで救助した船で、赤パンを必死に振ってたおじさんを思い出してしまう。
うちの船で赤いものって何があったかなぁ・・・とつらつら考えたりして(苦笑)
電動ポンプと手動ポンプ二つで水を吐き出す。
パパはあちこちを調べまくってました。
大慌てでエンジンルームを開けると・・・。

エンジンを冷却する為に海水を汲み上げるポンプから出ているチューブから水が噴き出してるではないですか。
海水をまき散らしている場所がわかって、ひとまず安堵です。
船体に傷が付いて入ってきた水ではなかったので。
しかし、普段水を出さないチューブから水が出ているというのは、どうしてなのかがわからない。
エンジンに異常が?冷却ポンプか?
とりあえず、チューブを縛って水を止めて様子を見ることに。
今夜のようなオーバーナイト決行の日にエンジン異常があったら、それもまた問題だもの。

今までの5時間をチャラにしてシネスに戻るかどうするか。
シネスを出たら、セント・ビンセント岬を回ってしばらくまで港がないので、エンジンが壊れたら身を寄せる場所がないわけで・・・。

1時間経過。
異常なし。

2時間経過。
異常なし。

エンジンの音も変わらない。
異常も感じられないので、航海を続けることに決めました。

日没前に、くうまが釣りをやりたがりましたが、いまいちやる気が出ないパパ。
何が異常だったのかがわからないので、どうもすっきり航海ができない。
私は未だに気持ちが悪いし。

みんなあまり食欲がなかったので、夕食はくうまの希望を聞いて、おかゆと梅干しにしました。
寒い中、ホカホカと湯気の立つ優しい口当たりのおかゆが、それはそれは美味しく感じて。
なんだかんだと、皆大盛り二杯ずつ食べちゃったりして(笑)

パパは、不安とエンジンの点検などで船底に入っていたせいで、気分が悪くなっていたので、今夜の見張りは私が先攻。
岬を回るので、今回のルートの説明を受け、ポイントに来たら次のポイントへG.P.S.の表示をかえると指示を受けて見張りに立ちました。

夜12時。
第2ポイント接近。
G.P.S.の「第3ポイント」を「GO」に指示して「Enter」を押して。
「方位的には第2ポイントとそれほど変わらないんだけどね」とパパが言った通り、確かにさっきより進行方位は6度しか変わってない。
・・・んだけど、目的ポイントまど4444マイルって出てるんだけど、おかしいなぁ???
なんかすごく遠そうなんだけど。
到着時間も出ないなぁ・・・。

しばらく見つめてたんだけど、マイル数が減る感じもないし。
反応遅いだけかもしれないと思って、しばらく放っておいたのだけど、やっぱり4444マイルから変わらない。
いや、あんまり大きい数字だから、どのくらい遠いかぜんぜんピンと来てませんでした。
どうしよう。
寝ているパパを起こすのも可愛そうだしなぁ。方位は問題なさそうだしなぁ(迷)
でも岬回るにしては、すごい遠そうだったんで一応パパに報告することにしたら。

「ええ!4444マイル?(驚愕)」
飛び起きました。
あ、やぱり変だったよね?(苦笑)
大急ぎで自分が打ち込んだG.P.S.のデーターをチェックするパパ。
「あ~あ、これだ。悪いっ。北半球と南半球、打ち間違えちゃったよ」

おいおい(爆)


無事4444マイル問題は解決し、正常な数値を見て私もやっと落ち着かない気分から脱出。
見張りながら、ぼーっと「チック・コレア」を聞きながら、進行方向へまっすぐ伸びている天の川を眺めていると・・・。
ぐぅわぁぁぁぁぁぁっと反時計回りに視界がいきなり動き始めたのっす。

うげっ、オート・パイロット(自動操縦)が外れた!

急いで船長席に戻ると、舵がぐるぐるまわってる~(涙)
がしっと掴んだけど、まだ船は回り続けてるし。
えーっとえーっと、G.P.S.を見ても現時点報告の数値が回り続けてて焦るばかり。
進路180度に来たぞ。ここでオートパイロットボタンを押して・・・。
うわ、なんか変な表示がでちゃった。失敗だぁ。解除してやりなおしてぇ。
そうだそうだ、方位磁石を見るのだ!でもぐるぐる回ってるからやぱり焦って、進行方位で舵を止められない。
やばいやばいっ、どうしよう。
もっと私にもできることは・・・えーっと・・・、そうだ天の川に舵を合わせようっ。
そうだまず回った舵を正常な位置に戻すのが先だ。(先ずこれをしなかったから、船が回り続けてたわけです 苦笑)
それからどこだどこだ?
船が回って自動的に天の川に近づいてきた。
今だ!
オートパイロットON!
お、はいった。
それから進路を改めて微調整。ピピピのピッとボタンを押すと・・・。。
おお~、我ながらうまくいったなぁぁぁぁ(感動)
ちょっとだけ偉くなった気分であった(爆)



なんか今日はいろんなことがあるよなぁ・・・とやや不安になりつつ、眠気を吹き飛ばすために音楽をがんがん聴いてると。
ウウウウウウゥゥウウウウゥゥウウゥゥ・・・。
エンジン音がいきなり波打ったのです。
「え!?」
眠気が吹っ飛んで耳を澄ましながら、寝ているパパのところに走るのと、パパが駆け出してくるのが同時であった。
今エンジン変だったよね?
「変だった!」
二人が言ったと同時に。

ウウゥゥゥ・・・・。

エンジンが止まったのであった。

夜中の1時。


うそ・・・(ショック)
by tabikuma | 2006-09-21 20:00 | 06年 ヨットの旅(portugal)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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