アラビーダの海岸へ。

リスボンから戻り方向の南へ岬を回ったすぐのところに、アラビーダという海岸があります。
ガイドブックには「ポルトガルで一番の海岸」と書かれていました。
リスボンでも多くの人に「ポルトガルの北は岩ばかりだから、
のんびりしたいならアラビーダがいいよ」と薦められました。

北へ駒を進めるか、リスボンから折り返すか、ずっと悩んで思考も行ったりきたりしていたのですが、「アラビーダでのんびり」という響きにつられ(笑)
実際、リスボンは夜が寒くてびっくりしました。
これ以上北上するともっと寒くて、夏を過ごしてる気がしないのと、港やアンカーリングできるところが、間隔あいてて、毎日オーバーナイトしないといけないという体育会系のハードな旅になりそうだったというのも、やめた大きな理由です。子連れですから。

リスボンを朝8時に出航。
岬を回るだけとはいえ、7時間の道のり。
でも、今後南下は追い風コースなので気持ちも楽です。

久しぶりのアンカーリングなので、前夜、買った生肉を一つは「牛肉の佃煮」に、
一つは「ナス肉味噌」に、一つは「カレー用シチュー」にと火を通し。
ハンドミキサーが使えるのも港内だけなので、ガスパチョ作ってペットボトルに詰めて。
船料理は去年より格段にスキルアップしてる気がするなぁ。
ま、冷蔵庫が使えるおかげで、食材がずいぶんグレードアップしたのが大きい。

航海中のお昼ご飯は、昨夜作った「ナス肉味噌」を使って、「芋まん」を作ってみました。
ジャガイモを茹でてつぶして、片栗粉を混ぜて、肉アンを包んで焼くのだけれど、船料理は時間短縮のために「マッシュポテトの素」を使ってみることに。
適当にミルクと水を混ぜたマッシュポテト4~500gに片栗粉70gをよく混ぜる。
ラップに挟んで薄くのばして、ナス肉味噌を包んでから、ごま油で焼くわけです。
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子供はやっぱり、手づかみ系が好きだなぁ(笑)
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インスタントでまったく問題なしでした。
自分で言うのもなんだけど、すっごーく美味しかったのだぁ。
これにカレーとか入れると、カレーパンもどきがつくれそうだなぁ・・・。


などと言っているうちに、着きました。アラビーダ。
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実は、アラビーダに行こうと決めた後も、ここに来るのを何度も躊躇したんです。
なぜかと言うと、暗礁と浅瀬がたくさんあって、入り江への入り方がすごく難しい。
前日、パパは何度も予習し、G.P.S.に進入路を打ち込んで、
紙に暗礁地図を書いておりました。

アラビーダの入り口には浮きがありますが、その後の浅瀬には何の印もされてません。
ここからが問題。
パパは水深計を読み上げながらそろりそろりと船を進めていきました。
「水深5m。・・・4m・・・5m・・・4.2m。4.1m。4m。3.6m・・・」
でも、風も強くて船が押し流されていくの。
まっすぐ進むと言うよりは、風に流されるのをこらえながら船体が斜めって進むかんじ。
ちょっと間違うと浅瀬に乗り上げて終わりです。緊張ですぅ(汗)
「方向転換行きます。水深4m・・・5m・・・4m・・・第一暗礁ポイント通過」
大きなため息が各自漏れます。
「方向転換行きます。水深5m。・・・4m・・・3.6・・・3.4・・・3.2・・・3・・・2.7・・・2.5?・・・2.4?・・・2.3(大汗) や、やばい!浅瀬の形が変わってるっ!!うわっ、2.2!!!!?
どどどうしようっ」いきなりエンジン停止するパパ。

ええええええっ!!
うちの船は2m以下になると底がぶつかっちゃってやばいんです。
2.2mって、かなりきわどい(滝汗)
「どどどうする?」
どうするったってぇぇ・・・どうしよう・・・(焦)
こ、ここやめて帰ろうか・・・。
水は、思ったほど透明度がなくて2mしかない水底でも見えない。やっばぁぁぁい(汗)

「暗礁にぼっかーん、ぶつかって、KUMA号ばらばらになっちゃったりしてね。あはは」
くうまがアホなことをぬかして、双方から黙ってろ!と叱られ(苦笑)
首をすくめて、手で口をバッテンしておったりして。
ううう、しかし怖いよぉ。どうしようぅぅぅ(涙)

「・・・・・・ちょっとまって」

どどどうしたの?
「み、みえる。みえるぞぉぉぉ(叫)」
伸び上がっていたパパが叫んだ。
うそ。ほんと?ほんとにほんと?
「なんとなーく、白っぽく見える気がする。あれが浅瀬だと思う」
私が見てもまったく何も見えない。いきなり第三の目でも開いたか?(苦笑)

パパは水深計もG.P.S.も放り出して自分の目で海を見ながら船を進め始め。
下で一応私が水深計を読み上げる。
2.5m・・・2.6・・・2.7。あ、増えてる!!(涙)
・・・2.8・・・3・・・3.2・・・3.5・・4m!!ぬ、抜けたああああ(滝涙)
普通に見ると見えないけど、高い位置からだとうっすら暗礁のあるところが白っぽく見えるんだって。
南太平洋なんかでの旅は、暗礁地図がないので、マストに一人が登って船の方向を指示するらしい。
た、助かったぁぁぁぁ。

こうしてアラビーダに到着したのでした。


が。

錨を落として一息ついてから、パパがリスボンで手に入れた潮の満ち干き表を見だした。
「今何時?」
えーっと、4時。
「今日の満潮は・・・6時だって。ん?今日って大潮なんだぁ。
で、今日の干潮は・・・夜中の12時なんだってさ。へええ、3.5mも水深が下がるなんて
すごいなぁ。
ん・・・・・・??5-3.5=・・・え?やばいじゃん!!!!」
・・・なにが?
「ここ、満潮時で5mくらいの水深なんだけど、夜中の12時に3.5m水が浅くなるわけ。5から3.5引いてみて。」
そりゃあ1.5って・・・ええ!?
KUMA号って水深1.8m以下だと座礁するんだよねえ・・・(沈黙)

夜中の12時に、寝てる間に船が座礁してるってことになるの?
うーむ、それってやばいじゃん(滝汗)

せっかく一息ついたのに、また移動なのであった。
ぐるぐる。
ぐるぐるぐる。
うーん、山のそばで風を避けながら水深5.5m以上のところを探さなきゃいけないのですが、
ほとんど重箱の隅をつつくような作業(苦笑)
ぐるぐるぐる。
「あ。ここだ!!」
水深5.5m。ぴったりである。
「錨を降ろせーーー!!」
へいっ。船長!
依然、操船のできない私が力仕事であります(苦笑)

なにもわざわざ大潮の時に、こんな浅瀬の多いところにアンカーリングすることになるとは、
私らも運が悪い(苦笑)
しかし、こんなに潮の満ち引きを気にしなきゃいけないってのも、面白い体験であります。
生まれてこの方、こんなに潮の満ち引きのことを考えたことなかったもんね。
毎日こんなに差があったんだねぇ、海ってさ。

とにかくこうして、アラビーダに錨を降ろすことができたのでした。
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by tabikuma | 2006-09-05 07:39 | 06年 ヨットの旅(portugal)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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