北に向かうか、西にむかうか。

エンジンは直りました。
と言っても結局故障箇所はなく、塩の結晶が悪さをしてただけという情けないお話(とほほ)
つまりチュニジアの時と同じく、単にきれいに拭いてオイルをたっぷり塗って終わっただけでした。
まさか、オイルが漏れるばかりかギアが動かなくなるのも、塩が原因とは思わなかった。

これをですね。
来たエンジニアはまず「これは、かなり深刻だ!」って眉をひそめたんです。
スペイン人も同じ手を使うんですが、簡単な作業じゃお金が取れないから、最初にこう言うんです。
その言葉を聞いて、今日中に修理できないのかと心配しましたが、やってることを見てると、チュニジアの時と同じ。
しかも、チュニジアで綺麗にしてるからもっと早くて、わずか10分の作業、交換部品もなしで。
なのに平然と120ユーロを要求してきます。耳を疑いましたよ。つまり2万円だもの。

マリーナにしても、エンジニアにしても、地中海一高くふっかけられました。ナポリ恐るべし・・・(落胆)
お財布にそんなに持ってないと言って、100ユーロにまけてもらったけれど、あのマルタ島でオランダ人のおやじはアンカーのリレーの修理とスイッチの交換で115ユーロでしたからね。
だから、飛び込みで急を要する修理を頼むことは、なるべくしたくないんですが、知らない所を旅するのはこういうリスクがついてまわる(溜息)
次は絶対に自分達で直そう。直らなければ、どうせゴールまで残り少ないしエンジンはあきらめて、泳いで陸に上陸しよう。
そう心に誓った私達であった。
そして、ほんとにそうなったから泣けるんですが、その話はまたあとで・・・(苦笑)


今回は、ナポリまで足を伸ばしている時間がなかったので、Pozzuoliの街で用事を済ますことにしました。
一昨年と同じ8月中旬にここにいる私達なので、どうせまたナポリの「ダ・ミッケーレ(ナポリ一のピッツァ屋です)」は夏休みだろう・・・(がっくり)
諦めて、Pozzuoliでピッツァを食べることに。

しかし、観光客の入ってないオシャレじゃない地元の人で混み合うピッツェリアに目をつけて。
石釜もがんがん燃やしてるし、ピッツァの焼け具合もいいしと食べてみたら、これがうまいっ!!
しかも安い!(マルガリータ3ユーロ)

市場では水牛のモッツァレラと、生ソーセージ、味噌汁にする為にアンコウを買って、野菜とクッキーも買い込んで、これまた安いっ。
要するに、マリーナだけ別世界なんだな。

Pozzuoliの街の人々は全体的に太っていて、ねえちゃんは田舎くさい格好で、化粧の濃い人が多く。
そこここに、オレンジを模ったオレンジジュース屋があって。
帽子と体中にとうがらしのキーホルダーを付けて、それを売り歩いてる大道芸人のようなおっさんがいて。
フェリーニの映画に出てくるような人達が、普通にそこらへんを歩いているのが面白かったなぁ。
むしろ、独特な映像感覚で世界的に有名なフェデリコ・フェリー二って、実はナポリの日常を淡々と描いただけだったりして」なんて思えてきました(笑)
日本人の思い描く「お洒落なイタリア」とは程遠いですが、これもイタリアなんですよね。


さて、街中を歩いてネットカフェを探しましたが、見つかりませんでした。
若者を見つけてはネット出来るところはないかと尋ねまわるも、「ない」としか返ってこない。
スペインもですがイタリアも極端に遅れていて、まったくダメです。
オフィスに頼み込んで、気象情報を入手しました。

2、3日は大丈夫そうだけど、早く次に移動しないと今後どうなるかはわからないとのこと。


この時点まで、北のエルバ島経由コルシカ島をまわって帰るか、最短でサルデーニャ島経由にするか迷っていました。
エルバ島は、今まで「ナポレオンの生誕地」としか知りませんでしたが、むちゃくちゃ素敵なところらしいです。
ヨットガイドでは「惚れ込むヨッティーも多い」と書いてあるし、写真を見ても魅力的。
海だけでなく、街も旧市街が魅力的。
これを逃したら、いつエルバ島なんぞに行く機会があるだろうかと考えると、今行っておきたい!と思いました(熱望)

・・・のだけれど、エルバ島まではサルデーニャ島に行くのと変わらぬ時間で行けますが。
北に上ると、その後目と鼻の先にあるコルシカ島を経由(地図を見ると、ナポレオンの島流しって、まるで甘い刑だなと思うほどエルバ島と近くて驚きましたっ。)
そこからフランスに渡りマルセイユに沿ってバルセロナ、バレンシアと下ることになります。
ギリシャにはメルテミ、イタリアにはシロッコとあった要注意の風ですが、フランス沿岸で悩ましいのがミストラル。
ミストラルに遭遇したら吹き止むまで航海はできません。
ただ今8月12日。旅のゴール予定が9月頭です。
あと3週間で南スペインのアルメリアに到着していたいところ。
一か八かで行って、ミストラルに遭遇したら到着が遅れることに開き直るか。うーん。
大人しくサルデーニャ島を目指すか。

こういう時、私は無理をします。
今後いつ行けるかわからないのに、今逃しては悔しい一念で。
北に向かえる可能性がどのくらいあるか、パーセンテージをきっちり出さないと諦めがつきません。。
パパは、無理をしたがらない人な上に、航海で時間制約が出て無茶をするのは命取りだからと嫌がりました。
それで、かなり激しい話し合いとなりましたが。

でも、サルデーニャ島を進む最短ルートだって、サルデーニャからバレアレス諸島まで二日海の上なので天候を選ばねばなりません。
イベリア半島にたどり着くと今度は、アルメリアまでの風は東強風か西強風しかない地帯だから、運が悪いと西が吹くまで待つことになる。
最短ルートだって、下手すりゃ3週間で着かないこともありうる。
すると、もっと距離のある北周りは、運が悪けりゃ、日本へ帰国の日に間に合わなくなるということで・・・。


交通機関が風任せとはこういうことなんですよね。
諦めました。



夕方出発した私達は、そのまま二日間海の上を経てサルデーニャ島に渡ったのでした。



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by tabikuma | 2009-11-20 22:53 | 09年 船旅(最後のクルーズ)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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