恐怖のアンカー釣り大会。

さて、ポロス島の港で大満足していた私たちですが。
メルテミが吹き始めてから、状況は変わりました。

強風にもひるまず出航してるチャーターヨット達の半分ほどは、操船がまともにできないのに借りてたりするから恐ろしい。
昼過ぎから、港に入ってきて接岸しようとするのだけど、強風に舵を取られて失敗し、近くのヨットに突っ込んでしまうのです。
フェンダーで防御してくれるならまだいいけど、そういう余裕無く突っ込んでくる船の多いことったら(冷汗)
まともに、船をバックさせられない船の多いことったら(焦)
ひどいのになると、もやいロープを船のどこに固定して、どこを通して接岸するかすら知らない人たちの船もある。
ロープを受け取って手伝うにも、むちゃくちゃ過ぎるんで、思わずどこに結わえろ、そこに通せと指示することになります。
苦労してやっと接岸できたと思ったら。
「あ、錨を落とすの忘れてたぁ(ギリシャ式は錨を落として舳先を固定する)」って、間の抜けたことを言って、やり直したと思ったら。
もう同じ場所には戻ってこれず、流されて違うところでまた、周囲の船に手伝ってもらって接岸作業してるお騒がせ船も。

こういう人たちが怖いのは、船をケアすることまで頭が回らないことで。
人の船にぶつかって、風に押されて他人の船に張り付いちゃうと、無理やりどうにか動かそうとして、船同士擦れあわす。
チャーターヨットは保険をかけてるから、傷が付いても関係ないらしいけど、ぶつけられるヨットが自分のものの場合、そう気軽に見てられないわけで。
破損したら、そこでこの夏の旅は終わるし。
うちなんて、今年ヨットを売りに出すのに傷つけられたら困るし。
ってことで、当たり屋にひどい目に合わされないよう、自分の船の場合は自分で守らねばならず。
強風中は、港に入ってくる船が付近まで来たら、舳先に立って動向を見守るってのを一日中やるわけです(疲労)

この手の無謀ヨットに限って、強風でも出航していくわけですが。
船の出し方がまた下手くそすぎて、まっすぐに出すことができない。
各自が船の前方に錨を落として並んでいる港内で、まっすぐ出て行けないと、隣の船のアンカーライン(鎖部分)を引っ掛けてしまうことになるのですが(ストライプの中、一本の線だけ斜めにすると、簡単に他の線とクロスするでしょ?そんな風に鎖が絡むんです)

エーゲ海のチャーターヨットの面白いのは、なぜか11時になるといっせいに出航すること。
つまり、11時に一斉に、アンカー釣り大会がはじまります。
これがもうね、見てる方も震えるほど阿鼻叫喚(滝涙)
一艇がアンカーライン(鎖部分)にひっかかって、もたもたしてるうちに強風で横向きになり、そのまま錨を引きずって風に流されるもんだから、そこら辺のヨットのアンカーラインを全部釣り上げちゃって大混乱です。
その後ろでは、アンカーヘッド(錨そのもの)を釣り上げちゃって、錨を外すのに大わらわ。釣り上げられた錨の方の船も、大騒ぎ。
そんな中を新しく入港しようと来た船が強風に見誤って接岸作業に失敗し、やり直したら、隣のアンカーラインを釣ってしまって、騒ぎをさらに大きくし。
これが港内あちこちで同時に起こってるんですから。
難を逃れてる船も、いつ自分の錨が釣られるかハラハラ見守ってて、湾内騒然です。

メルテミ中こんな毎日だったので、ポロス島にて心労で死にそうになりました(滝涙)

だってね、アンカーヘッド(錨)を釣られちゃうってことは、固定してた錨が外されるってこと。
錨が外された船は、前から風が吹いてる場合、当然岸に船尾がぶつかっちゃうわけで(恐怖)
KUMA号も、アンカーヘッドを釣られちゃった瞬間岸にぶつかりかけ、見てた人達の悲鳴であわててエンジンかけ、寸でで助かったことがありました。
船に居たから良かったけれど、お散歩に出てたらアウトでした~(冷汗)

サイドモーターのない普通のヨットは、右回転のスクリュー一つなので、前進の時は船体のおしりが右に、バックの時はおしりが左に持っていかれます。
船体が左に持っていかれることと、風の力で横滑りすることを計算に入れながらバックするわけですが、強風だとなかなかコツがいります(パパ担当)。
私は錨を落として、ある程度鎖を素手で引っ張り出す作業をしてから、後ろに走っていって、風上側のロープを岸に縛り付ける担当ですが。
強風の場合、岸に縛るのが遅れると、船体が風下へすぐ流されてしまい、もやいロープの長さが届かず縛れなくなるから、必死です。
失敗すると、もういち度振り出しに戻るです。
錨を巻き取って前進し、錨を落とす作業からやり直すはめになる。
って、説明しても理解は難しいと思いますが、つまり、二人しかいないと、ギリシャ式に錨を落とす接岸作業は大変過ぎて、メルテミ中はできるだけやりたくないっちゅーのに(涙)
アンカーヘッドを釣られると、接岸作業を否が応でもやり直す羽目になって、涙目っ。

毎日毎日こんな状態だったので、気が休まることもなく。
行き着いた結論。
ギリシャはタダの港が多いけれど、「タダほど高いものはない」(苦笑)
お金払ってもいいからマリーナに入れるのが、安心安全で一日を有効に使えて、結局お得である(って、ギリシャはマリーナが少ないんですが)



そして。
こんなヨット達も混じって、この大量のヨットの目指すのがキクラデス諸島だと思うと、げんなり。
この先もこんなことが繰り返させるってことよね?
行くのに気が重くなってしまいました。
周囲のヨッティー達が「夏のキクラデスは・・・」といい顔しないこともあって、目指す時期が悪かったかと諦めることにしたのでした。

ヨットの少ない地帯、ペロポネソス半島に方向転換よ~そろ~!。



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by tabikuma | 2009-07-30 20:35 | 09年 船旅(最後のクルーズ)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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