くうま、KUMA号を守る!の巻。

小さな島・イドラの小さな入り江に入れる船は限られているのだと思っていました。
入れなかった船は諦めるか、近所にアンカーリングして、ディンギーで訪れるのかと。
11時に来た私たちはミッションがうまくいったのだと、喜びを感じたのですが・・・。


違ったのです。


うちの40フィートの船の横に、52フィートの8人も乗ったイギリス人のチャーターヨット(雇われ船長付き)が二艇、無理やりねじ入れてきました。
普通なら40フィートの船の横幅でもキツイかな?って寸法にである。
船が擦れたって、飽和状態でフェンダー(緩衝用浮き)が外れてギシギシ言うのなんか、関係なし。
雇われ船長は、この世界で金を稼いでいるので、慣れた風にKUMA号に飛び移って、隙間を広げて自分の船を入れてきた(てめー、勝手に土足で乗るな~と叫びたくなる ムッ)
おかげで、奥に押し込まれたKUMA号のお尻が岸壁すれすれまで近づいて、当たりそう!
「キャプテン、どこよ!うちの船、当たりそうなんだけど!」って文句を言ったら。
「それは君んとこの、もやいロープを緩めて、アンカーを少しきつくすれば問題は解消すると思うよ。僕の意見だけどね」って、鼻持ちならないキングス・イングリッシュでアドバイスしてくる(てめーが押してるのに、なんでうちが調整すんだよ。挨拶くらいしろ!と言いたかったのをぐっとこらえる 怒)

いや、これがギリシャルールなんだろうか。
私らよそ者は、そのルールを受け入れなきゃいけないのだとは思う。
東京ものが、大阪の電車に乗って、大阪のおかんの無理やりおしりを突っ込んで割り込む席取りに、面食らうようなもんよね(苦笑)
小さな素敵な島の観光を共有するのに、これはしょうがない事なのかもしれない(自分に言い聞かせてる 苦笑)

しかしね。
昼からシャンパン開けて、ガンガンと音楽かけて、大騒ぎな上、二艇が馴れ合ってパーティー始めちゃったもんだから、煩くて船にいられない。
いやいや、きっと3時間もすれば収まるに違いないのだ(←自分に言い聞かせてます)

たまらなくなって、船を離れて岩場に泳ぎに行くことにした我ら。
その間にも、ヨットはがんがん入ってきて、港に着けるスペースが無くなったら、今度は船と船に勝手にロープをかけて、自分のヨットを固定し始めました。
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つまり、こんな状態(汗)
ギリシャはこういうところだと聞いていたけれど。
しょうがなく人の船に結わえさせてもらう時、他の国だとお願いくらいするもんですが。
お構いなしに乗り移って、どんどん自分の船を固定していくから恐ろしい。
港はあっという間に船でひしめいてきました。

ギリシャの係留の仕方を記事にしたけれど、アンカーを落として後ろを接岸させる方法の上、ダブル、トリプルに留めていくと、海の中は鎖が絡まってすごい状態になるのです。
その上、風が吹くと船体がこすれあって船が悲鳴をあげる。
マストがぶつかり合う。
しかも、陸に上がるためには、繋がせてもらったヨットを渡っていくことになるので、繋がれたヨットの人は、いつも人がわさわさと自分のヨットを出入りしてる状態。
礼儀をわきまえない若者グループだと、夜中まで陸で飲んで、真夜中大騒ぎして足を踏み鳴らして、土足で渡っていくので、つながれたヨットで寝てる人間はたまったものじゃないわけで。

この恐ろしい状態を見たくなくて、KUMA号がこのカオスに飲み込まれるのを見たくなくて、夕方まで港の見えない場所の岩場の海水浴に、私たちは逃げていましたが。

勇気あるくうまだけ、「俺、KUMA号の様子を見てきてやる!」と船に戻っていきました。
その後、1時間ほど私たちの元に帰ってこず。
心配になって、さすがに船に帰ることにした頃、ヨットから走ってきたくうまが興奮しながら叫びました。
「俺がKUMA号、ちゃんと守っとったで!」


ヨットに戻ってみると、こんなことになってました。
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右を見るとこんな状態。

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左も、右も全部ダブル留めの中、なんと!KUMA号の前だけポッカリ空いてますっ!!(驚)

「俺がな、ヨットが近づいてきたら、前のハッチから飛び出して、両手で×ってやったってん(得意満面)」

えええええええ、そんな大胆なことやったの?

「しかもな、いっぱい来るから、絵に描いてKUMA号の前に貼ってやってん(鼻息)」

・・・どんな絵だろうと、前に覗きに行くと・・・。
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うおおおおおお、大胆すぎるっ(爆 爆)
いや、ほんと。
お願いされちゃ、本当は嫌でも断れないもんです。
ましてや、当然の顔してくくりつけて来るのを、やめてよって言えないもんですって。
みんなそうしてるのに、自分だけは「嫌だからお断り」なんて、言いたくても言えないもんですって。
大人だからねえぇぇぇ(そこが大人の辛いとこ)

だからね、ほんと。
いやああ、もう!くうま、エライ!!
自分で一生懸命考えて、KUMA号守ってくれたのかぁ(感動)
映画の「ホームアローン」みたいっ(爆)

有難く、この張り紙に気がつかない振りして翌朝まで貼ってたKUMA号は、ダブル留めを間逃れた、唯一の船となりました(くうまに感謝~ 涙)


しかしです。
ダブル留めを免れたとは言え、隣の52フィートのヨット二艇は、なんとクーラー搭載。
夜中2時まで大騒ぎしてた上、一艇はエンジンを一晩中アイドリングして発電し、一艇はジェネレーターを回し続けたせいで、彼らは窓を閉じてるから聞こえないのかもしれないけれど、隣接してる窓全開の船は、煩くて寝られたもんじゃなく。
完全に寝不足な上、重低音からの逃げ場も無く、暑い中じっと耐え続けた悪夢のような夜であった。

いろんなヨッティーに聞く、恐ろしいギリシャの夏のお話。
イドラ島で「夏のエーゲ海の喧騒」の洗礼を受けた我らでした。



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by tabikuma | 2009-07-30 00:22 | 09年 船旅(最後のクルーズ)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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