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ジブラルタル越え。

風がよければ、明日はジブラルタル海峡を越えて、大西洋へ突入なのです。

ジブラルタル海峡は最初の難関。
地中海の入り口とも言える場所なので、アフリカ側とイベリア半島側の岬がせり出して細い海峡を作っています。
いつも風が吹いていて、時にはヨットが通過できないほどの強風が吹きぬける日も。
その上、潮の満ち引きにあわせて、一日に2回は東向きに、2回は西向きに3ノットの潮が流れるのです。
毎日満潮と干潮の時間変化に合わせて、潮流は12パターンを一日に二回繰り返すわけ。
進行方向と逆の潮流で、しかも最高速3ノットにあたってしまうと、すごく大変な目にあってしまうのです。
ジブラルタル付近の港に寄れば、もちろん潮流情報は手に入るのですが・・・。
エステポーナから4時間かけてジブラルタル海峡のスタートラインに着く私たちは、さてどうするかという話になった。
イギリス人とかはこういうとき、緻密に潮流を計算して、ジブラルタルの港に待機して出てくるんだろうな。
ジブラルタル越え。_b0083985_2173469.jpg


パパは二年前のカリブからスペインへヨットを持ってくる時に、大西洋側からジブラルタル海峡越えを体験しているのです。
その時のスペイン人船長、ビクトールの教えはこう。
「いちいち潮流とか気にしてたって、いつくるかわかんねーのに、どうするよ!
待つったって、海の上のどこでまつってーのよ。
潮流が変わるまで待ってる時間、少しでも進めば、反対側にちょっとでも早くつく!
3ノットの逆潮流に捕まったら、エンジンがーっと全快よぉ(鼻息)」

なんというか、ビクトールの生き方がこうなんでしょうな(爆)
『あの人は流れに乗った』とか『流れに逆らって生きてる』とか、日本ではよく言うでしょ?
ビクトールは、流れに乗ろうが逆らおうが、そんなのずっと続くわけないんだから、とにかく進むってタイプです。
まだ年は26だけど、くうまの年くらいから家族がヨットで世界旅行をはじめて、もう地球を2週半回ってる猛者の言うこと。
案外言えてるかもねぇ。
これだけころころ風も波も状態を替える中で船旅をしてると、つくづく思う。
大切なのは、たどり着くべき目的地でね、苦労しようがなんだろうが、たどり着きゃいいのですよ、結局。

ということで、うちも明日は、
「潮流なんて関係ねー!風がよければばんばん行くぞー!!」(鼻息)
by tabikuma | 2006-07-28 02:20 | 06年船旅(portugal)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


by tabikuma