さよなら、KUMA号。


ゴオオオオオオオオル!!


最後は追い風9ノットで走り続け、6時間ほど短縮しての到着でした。
そして、翌日から見事に変わって西強風となりました。
一日でも遅かったら、あと数日足止めだったことを思うと、運よかったのかな(喜)


懸念した、天候による風待ちがないスムーズな航海で、理想的スケジュールよりさらに半日早い8月31日午前10時50分の到着でした。
アルメリマールの港に入ると、見知った顔が「おーい」とあちこちで手を振ってくれました。
私達にとっては、アルメリマールを離れて3年間の放浪は長かったのですが、彼らにとっては年月を感じないのか、時差のない笑顔(笑)
そりゃそうですよね。
毎日たくさんの船が出ては数年後に戻ってくるわけで。
マリネーロ達には日常的な出来事なんだもんね。

「フミは?」
一番の顔見知りがいないのが残念。どこいったの?え?コーヒー飲みに行ってるのぉ?
予告せずに到着してびっくりさせてやろうと思ったのが、いけなかったらしい(がっくり)
急いで電話で呼び出して、やっと会えました。

フミさんは、このKUMA号の旅行記のアルメリマル港の話には必ず出てきますが、この港のオフィスで働く日本人なのです。
私達はKUMA号のホームベースを探して偶然アルメリマルを訪れ、知り合ったのですが。
ここに寄ると日本語で係留が頼めるし、修理や何だと色々相談できる安心感で、日本人のヨッティーの間ではアルメリマル港とフミさんは有名らしい。

「久しぶりじゃない。なによあなた達、俺が夏じゅう休みなく働いてる間、地中海をぶらぶらしてきたんでしょ?まったくぅ、いいなぁ」
あれ?言葉だけ書くと、なんだかオネエ言葉だなぁ・・・フミさん(爆)
五分刈りに黒い肌太い眉の、小柄だけどスポーツマン、家柄は僧侶なヒトなんですが。


この日のお昼ご飯に、フミさんを招待しました。
船に入ってくるなり、
「あ、カレーなの?いい匂い」
そうなの、もしもの時用に大切に取っておいたんだけど、無事アルメリマルについたからさ、って言ったら。
「あなた達も変な人達だねぇ」って吹き出してました。
えっ、変かしら??大真面目にカレーを頼みにここまで辿り着いたのよ?(笑)

最後の日本食がきれいにお腹に収まって、私達の旅も終わったのでした。






さて。
KUMA号を売りに出して3ヶ月目のある日のこと。
一通のメールが届きました。

「イギリス人のクライアントがKUMA号を買うことに決まった。」
ブローカーからです。
あっという間に、KUMA号とのお別れが来てしまいました。

KUMA号の前の名前は「GIGARO」でした。
私達が買った時点で、登録名を変更したのです。
だからもうすぐ、KUMA号は違う名前になってイギリス人の船になるわけです。
あの船のことを、もう誰も「バルコ・クーマ」と呼んでくれなくなるのだなぁ。
そう思うと、少し気持ちがウェットになりそう。

でも、このKUMA号の旅行記はネット上でずっと存在するのですよね。
大変だったけれど、書き続けて良かった。

それにね。
カリブから大西洋を越えてやってきたKUMA号が、ヨーロッパに到着して最初の島に。
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ここ、アゾーレス諸島Horta(オルタ)の港は、大変な思いや夢を抱いて大西洋を渡ってきた人々が、自分と船の記念を書き残すのですが。


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ほら、KUMA号の足跡が残されているんです。
ここでも、KUMA号が「バルコ・クーマ」と呼ばれた証が永遠に残るわけだしね。


思い出したくなったら、旅行記を読み返しにここに来よう。


本当に色んな体験をしました。
これを、パパとだけでなく、くうまと三人でできたことも良かった。
大変なことも多かった気もするけれど、思い返すと光一杯の楽しく濃厚な日々に思えます。

KUMA号に、ありがとうを一杯言わなければ。
色んな旅をしてきたけれど、こんな風な船の旅ができてよかった。
地球と自分の幸運に感謝したくなります。

この船旅を見守り、応援のコメントをくださったみなさまにも、ありがとうを一杯。
三人の旅だったけれど、一杯の人が船に乗っているようにも思いました。
写真と文章を楽しみにしてくださったおかげで、最後まで書くことが出来ました。
それなのにメッシーナ以降の写真を消失してしまったこと、本当にごめんなさい。

ここまでで、2009年夏のKUMA号の旅行記をおしまいにします。
さて。
KUMA家が次に旅をするのは、いつ、どこへでしょう?うふふ。


2009年のKUMA号の旅の一ページは →「ここをクリック



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by tabikuma | 2009-12-31 00:15 | 09年 船旅(最後のクルーズ)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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