いきなりナポリ。

メッシーナ海峡を越えて、つま先側から長靴の甲の方に出たのは夕方のことでした。
まだゆるい逆潮流は続いていましたが、風は相変わらずゼロ。

このまま、その夜はオーバーナイトで走り、翌日の夕方5時に目指すFaro di palinuro に到着しました。
この日は昼から風が吹き始めたので、アンカーリングはやや波のある中でした。
シラクーサを出てから三日なので、そろそろ生鮮食料品の補給がしたいところ。
大急ぎでディンギーを下ろし、エンジンを積んで、上陸の用意!

グンッ!
と、エンジンをかける取っ手のあるロープを引っ張るのですが、あれれ?
グンッ!グンッ!

「おっかしいなあ。」
あちこち見てみると、ギアも入らない。
「やっべ。ギアがぶっ壊れた。エンジニアに見てもらうしかないや。」

またエンジン動かなくなったのか~。
5年前に新しく買ったばっかりなのにさ、ちぇっ(←って、買ったばかりじゃないか 苦笑)

前のエンジンがダメになって大急ぎで買うことになり。。
その急を要した場所に、YAMAHAもHONDAもなくて、あったのはMARINERだけだったので、そこで買ったのですが。
同じツーストロークのエンジンだから、そう違いはないのかと思ってたら、日本製はやっぱりきっちり頭よく作られてるらしい。
MARINERは海水がばんばん中に入ってしまうから、あちこちトラブルが出るのです。
スペインで日本製はMARINERより高いですが、毎回の修理代を考えたら絶対高くはないなあ。。。(溜息)


シラクーサ以降ずーっと走り続けていたので、ここらで一息入れたかったのですが(がっくり)
しおしおとディンギーからKUMA号に戻った私達。
アンカーリングしているところは、けして居心地良い場所でもなく、船はぐらぐら。
なんだか意気消沈。

・・・このままナポリ目指すくらいの体力、私まだ残ってるけど、どう?
「え?アンカー揚げて、もう一晩オーバーナイトで行くってこと?大丈夫?俺はいいけど」

上陸できないとなると、ここで錨を下ろしている意味は、二日間走ってきた分の体力回復のため。
でも、ハードな船旅ですっかり体力が付いたのか、もう一晩のオーバーナイトが問題なくできそうに思えた。
だいたい、こんなところでがっかりしながら寝るより、今ちょっと頑張ってさっさとナポリで港に入ってエンジンを修理して、上陸してピッツァ食べたい。
今、夜通し走れば、午前中にはナポリに着くのである。
(明日早朝出発だと、ナポリ着は夕方遅くなのだ)


そうだな。とパパが言って。
わずか2時間休憩だけで、錨を揚げてナポリに向けて出航したのでした。




さて。
ナポリと言っても、サンタ・ルチア港は異常に高い上汚い!泥棒が出る!と悪評高く。
他も似たり寄ったりの評判。エンジン修理ができるか不安な小さな漁港も多し。困った。。。
エンジンのトラブルさえなければ、ソレント付近にはアンカーリングでしのげる場所もあるのだけれど。
今回はなんとかマリーナに突っ込まないといけないのです。
しかも、エンジンの修理ができそうなちゃんとしたマリーナに。

はたと思い当たったのは。
2年前に高すぎてむっかついて「二度と来るか!」と思ったPozzuoli(ポッツォーリ)のマリーナ・・・(苦笑)
あの旅で一番高かったマリーナだけれど、お金持ちの船がいっぱい泊まってたから、絶対エンジニアもいるはず。あの、足元を見たような料金設定はむかつくけど、背に腹は変えられぬ(悔しいけど)

もう開き直って、Pozzuoliに向かいました。
2年前に65ユーロを泣き付いて55ユーロにしてもらったということは、今年は75ユーロくらい?と覚悟を決めて。


いつものように早番はパパ。
夜中の2時から私が遅番で朝6時まで船の見張りに立ち。
朝ごはんを食べる頃には領域に入ってきました。
ソレント、カプリ島、風光明媚なナポリの湾を再び見ることになるとは思わなかったな。
Pozzuoliは湾の北端にあるので、広ーいナポリ湾を南からずーっと横断するのに1時間半以上かかります。
見えてるけど、たどり着かない(ぜーぜー)

そうして到着したマリーナ。
様子を知ってるというだけで、少し安心できます。
ここは、勝手に留めて待っていればマリネーロが来るんです。

ボンジョ~ルノ!ボンジョ~ルノ!KUMA!オフィスまで来てくれっ。
ややして、船をノックされました。

顔を出すと、二年前に同じようにやってきた顔です。
二年前にここに来たんだけど・・・と言うと、それ以降東洋人は来てないから覚えてるよと。
どこをとってもガメツイ造りのPozzuoliのマリーナで、唯一彼だけがさわやか
案内人の彼とのオフィスまでの道のりは、おしゃべりも楽しい。

で。
オフィスです。

あの~、2年前に55ユーロで停泊したKUMA号ですが、いくらですか?
92ユーロです」

一昨年と違い、値段交渉などこれっぽっちも取り合わない姿勢。
払えないなら他に行って。って高飛車(むかっ)
エンジンさえ壊れてなかったらぁぁぁぁぁ(滝涙)

リーマンショックの影響でヨーロッパも大荒れでした。
イタリアも大変だったろうと想像するのですが、65ユーロが92ユーロって2年で30ユーロ近く値上げは暴利じゃない?
収入が減ったら薄利多売でがんばろうとするのが日本人だけど、イタリア人は減った分高くするんだね。
貧乏人は切り捨てて、不景気なんて関係ない金持ちとマフィアだけを相手にする方針だろうか。
ああ恨めしい・・・。もう二度と、二度と来るもんかぁぁぁっ!!(←また言ってしまった 滝涙)




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by tabikuma | 2009-11-11 17:31 | 09年 船旅(最後のクルーズ)

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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