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目指せメッシーナ海峡!

これから目指すのは、メッシーナ海峡。

シチリア島と長靴のつま先に挟まれた、短い海峡ながら潮が早くて「侮れない」と有名です。
話によると、世界三大潮流なんだとかで、一つは鳴門海峡、一つはバンクーバー近くので、そしてメッシーナ海峡だそうな。
「メッシーナには気をつけろよ」と何度も言われました。
ジョアンとラウラにも、別れ際に「友人が何人も苦戦してるから、幸運を祈るよ」と。
ジブラルタル海峡より激しいんでしょうか(←ジブラルタルでかなり苦戦した私達 ドキドキ)


確かに、7月にギリシャを目指して、シラクーサから長靴の底に沿ってクロトーネへ渡った時、メッシーナ海峡よりかなり沖にいるというのに、強風で波も高く、荒れていたのを覚えています。
海峡の影響から逃れるまで、かなり大変な目に遭いました。

それで、風がほとんどない日が来るのを、シラクーサでずっと待っていたのです。
この週のチャンスは三日間。


五日ぶりの出航で一路メッシーナ海峡へ!
・・・と最初は威勢良かった私たち。
ですが、シラクーサから北上する私たちに対し、シチリア沿岸の海流は逆。しかも3.8ノットです(涙)
つまり、5ノットで進もうとするKUMA号が、5-3.8で、1時間に1.2ノットしか進まない(滝涙)
その上、この日はほぼ無風という予報が、昼からかなり吹いてきて、しかも逆風です。
メッシーナ海峡に8時に入れる予定が、このままだと真夜中になる。

しかも夜が一番穏やかという予報だったから、海峡通過時間を夜にしたのに、この風だとやばいかも。
荒れてたら、大型タンカーや漁船もいっぱいの中、光だけでそれを確認しながら進む真夜中の通過ほど大変なものはないです。

メッシーナ手前でどこか一泊できるところがないか、もう一度ガイドブックを読みなおす。
ここら辺のマリーナは、そういうヨットの足元を見た値段なので、なるべく入りたくない。
アンカーリングできる所・・・。

夏場はNGと書いてあるTaorminaという入り江が一つだけ使えそうだったので、急遽向かうことにしました。
NGって書いてあるけど、こっちだって緊急なのだもの。しょうがない(←船旅は強気が大切)

遅々として進まない中、1.2ノットで懸命に入り江を目指しました。
Taorminaが見えてきた、その瞬間のことでした。

「あ!!カジキマグロがジャンプした!!!!」
くうまが叫びました。
鋭い剣が水面からいきなり飛び出し大ジャンプしたと、大興奮。


目指せメッシーナ海峡!_b0083985_11133051.jpg
くうまの日記が記録として残っているので、彼の絵を載せますね。



夕方7時過ぎ。
結局シラクーサから13時間もかかって、ここまでしか来れてない本日の成果(涙)
でも、外はビュービュー吹く中、入り江の中だけは静かで涙が出るほどうれしい。
船が揺れているか止まっているかで、休まり方が全然違うのです。
結局のところ、アンカーリングしている船も多くて、15艇はいたかも(夏場はNGってどこの話だ?)

海岸線沿いを線路が通っていて、二両編成の電車がコトコト走っているのがかわいい街でした。
夜の暗闇で見ると、銀河鉄道の夜のお話の中に入るみたい。
「カムパネルラ~!」と叫んでみたくなります(笑)
時間があれば、上陸して探索してみたかったな。
でも、残された「風が穏やかな日」はあと二日(って、初日は予報と違って風が強かったけど)
遊んでる暇はないだろうね(残念)


翌日、早朝5時半に目覚めました。
揺れもなくとても穏やかな一夜で、よく眠れて、また体力回復ですっ。
とにかくこの二日間、移動できるところまで行くぞ!ってことで、6時には出航しました。

本日は無風。
そして今ゆるい順調流が始まった感じです(つまりさっきまで逆潮流だった)
海峡の潮流は時間によって順と逆がチェンジするのですが、このまま行くとメッシーナ海峡を順調流のピークで抜けられるかもですっ(喜)


今日はなんだか、いい日のような予感がするぞ~(元気一杯!)



by tabikuma | 2009-10-30 11:27 | 09年船旅

blog「くーまくーま。」より旅だけをまとめたものです。


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